2015年4月30日木曜日

フランスで在外研究2 —本をどうするか—

海外留学するにあたり、多くの学生、研究者が頭を悩ますのが本をどうしたものか問題だと思う。

私もおおいに迷った。アメリカに本30箱を送った強者同僚の話も聞いたけれど、そこまではちょっと無理...というのが正直な感想。前回留学時は必要最低限だけ送ったけれど、それはそれで不便であった。至った結論は、蔵書の電子書籍化。データ化して、コンパクトにして、いつでもアクセスできるようにするということだった。偶然、電子書籍化サービスを活用している人の話を耳にする機会があり、大変便利そうに思えたのだ。

私が利用したのは Bookscan という蔵書電子書籍化サービスの会社。本を送付すれば一冊100円から電子書籍化できる。しかし、格安通常会員の場合納期が2~3ヶ月とやたら時間がかかってしまう。そこで、私はプレミアム会員に登録することにした。

プレミアム会員は毎月9505円を納めると、月50冊まで無料スキャン、納期は1週間、OCR無料、pdfファイル名を本のタイトルと著者名に変更無料等、一冊あたり200円でしてほしいことのすべてを短い期間でやってくれちゃうのである。(サイトにはプレミアム会員の詳細がなぜか記されていない。「ブックスキャン プレミアム会員」でググればいろいろ情報は出てくる。)

月50冊までというのがネックと言えばネックだが、留学当初に必要な本は限られていると判断。二年の留学期間をかけて毎月コツコツ蔵書を送り、電子化することにした。月に一回発送してもらう作業は学生にバイトとして依頼。私の渡仏荷造りは、研究室の蔵書を段ボール詰めし、発送する順番等を記す作業にあてられた。

渡仏後、早速電子書籍化された本を利用しているが、思いのほか便利。紙の本に別れを告げることは(Bookscan では、送付された本を裁断してスキャン、スキャン後は溶解処理している)、確かに心苦しい決断ではあったのだが、紙のままでは大量の本をフランスで利用することは不可能だったので、結果的には大変満足している。

*5/3追記:kindle読書について記事を書きました。

2015年4月15日水曜日

フランスで在外研究1 —フランスに発つまで—

フランスで在外研究するにいたるまで、紆余曲折ありました。。自分の備忘録、そしてこれからフランスに発つ方の参考になればと思って、過程を記しておきます。単身で渡仏のケースです。
なお、私が手続きを進めるにあたって、神戸大学 花村和之氏のサイトを参考にさせていただきました。経験談を読めることは大変ありがたかったです。

4月初旬:学内で国外研究申請
本学の「国外研究員」募集期間は3月後半から4月初旬にかけて。もともと国外研究員に魅力を感じつつもふんぎりがつかず、むしろ国内研究員に出そうかと思っていたのだが、4月1日に科研費採択されたことが判明。俄然勉強のやる気が出て、国外研究員に応募する決心が不思議なほどあっさりついた。

4月中旬:フランスでの受け入れ希望教員にコンタクト
国外研究申請をしてから事後的にフランスの教員にメールでコンタクトを取った。本来順番逆。でも、学生時代の留学でも受け入れてもらったし、その後もお会いする機会のあった教員なので、たぶん大丈夫だろうとの見切り発車。で、「受け入れてあげるよ」とのメール返信をもらう。

5月?:学内の承認がおり、正式に国外研究員として渡航できることになる。

6月初旬:受け入れ先大学の国際交流課にコンタクト
「来年の四月来仏なら、まだ時期が早い。でもまあ、とりあえず手続き始めとくね」的なメールをもらう。その後なしのつぶて。

7月末:Lettre d'invitation をもらう。
受け入れ教員が講演等のために来日。何度か研究会に参加。お目にかかって、その場でLettre d'invitation を書いてもらった。

9月末: Lettre d'invitation を本学に提出、委員会で承認。
学内の手続きはこれで終了。

11月半ば :受け入れ先大学の国際交流課に再びコンタクト
 約半年ぶりにメールを送る。必要書類を指示され、スキャンして送付。要求されたのは以下の通り。
- 先方大学宛の研究申請書(フォーマットあり)
- 履歴書(フォーマットなし)
- 収入証明書(日本の大学から給与をもらう旨記された文書を提出)
- パスポートのコピー

12月〜1月:手続き進まず。
仏大学から Convention d'accueil という書類を発行してもらわないと、研究者visaが取れないので、複数回催促するが、手続き進まず。原因は、受け入れ教員が必要書類にサインしてくれないから(サインするために事務室に行ってくれない、国際交流課の人が何度連絡しても応答なし)。しかし、事務の人も楽観的で、「あなたにはまだ時間的余裕がある」と繰り返しメールに書かれる。

2月初旬:Convention d'accueil 獲得に四苦八苦
いよいよ時間的に厳しい気がして、焦る。事務の人も「余裕がある」とは言わなくなる。必死のお願いメールを送って、やっと受け入れ教員がサイン。その後は事務の方がすばらしい仕事ぶりで、2/10にConvention d'accueil を送付したとのメール。

2/12:ビザ申請予約
この辺りになると記憶が鮮明。Convention d'accueil 到着を見越して、大使館サイトでvisa申請の予約を入れる。学生時代の留学の時は大使館で長蛇の列を並んだ記憶があったが、今は事前の予約がないと受けてもらえないらしい。

2/15:Convention d'accueil が到着。

2/17:シンガポール航空のパリ行き片道航空券を購入。値段と手荷物重量30キロが決め手。こちらの旅行会社に大変お世話になった。

2/19AM:ビザ申請
朝9時に広尾のフランス大使館へ。必要書類は整っていたものの、パスポートの残存期間が少なすぎるので、パスポート更新するように言われる。(2016年6月失効予定、つまり1年4ヶ月ほどの残存ではダメだと。)必要書類を預け、ビザ審査を進めてもらいつつ、追って新パスポートを送付することに。

2/19PM:パスポート更新
その足で都庁へ行き、パスポート更新手続き。 通常、更新は残存1年を切った場合しか受けてもらえない。1年以上あるにもかかわらず更新する必要を証明するために、フランス大使館の必要書類リストと大学の国外派遣証明書のコピーもあわせて提出。

2/26:パスポート受領。(新パスポートで3/2〜5に台湾旅行。この旅行があったので、パスポート更新のタイミングが超ギリギリになって、とても焦った。。)

3/7:新パスポートを大使館に送付。この手の送付は郵便局のレターパックを使用。

3/12:ビザ取得
落ち着かない日々を過ごしていたところ、やっとビザが届く。三週間で届いたことになる。パスポートのトラブルがなければもっと早かった?

3/30:シンガポール-パリ間をANAのマイルでアップグレードできた!体調があまりよくない中での渡仏だったので、ずいぶん気が楽になる。この一ヶ月ほど、何回もアップグレードを試みたが、はじかれていた。ギリギリじゃないとダメなのかな。

4/1:無事に渡仏。

こうやって書くとあっさりだけれど、本当に4月1日に発てるのか、心底不安な2月、3月だった。早めの手続き開始、そしてこま目な催促が重要です!

2015年4月10日金曜日

ブログ開始

いろんな活動で記録しておきたいことがたまったので、このブログにまとめていきます。