高峰秀子『台所のオーケストラ』
独特の調子が心地よい。この文章読むと、著者と一緒にいると楽しいだろうなって思える。そして、この人は優れた味覚だけでなく、まっとうな経済感覚と生活感覚とユーモアを持っていることがわかる。
台所のオーケストラ (新潮文庫)
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高峰 秀子
新潮社 (2012-06-27)
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西加奈子『ごはんぐるり』
直木賞作家の食エッセイ。食について語ると人柄が出ちゃうよなあと、しみじみ感じる。高峰秀子『台所のオーケストラ』を読んだ時と同じ、幸せな気持ちになった。
沢村貞子『私の台所』
女優さんの食エッセイ。自分自身を含めて、人間を観察する目がとてもするどく、まともだ。
平野レミ『笑ってお料理』
楽しくおいしいものを作って食べれば、元気も出て幸せにもなれるという、真っ当なことが楽しいエピソードともに書かれた本。愛情があふれて、読むと嬉しくなります。
プルタルコス『食卓歓談集』
古代ギリシャの宴会に出て、おじさんたちの与太話を聴いてみよう。「宴会の幹事はどういう人物であるべきか」「山より海の方が珍味が多いか」「『恋は人を詩人にする』とはどういうことか」なんてどーでもいい話題が暑苦しく語られる。それが意外と人生の勉強になるのだ。
プラトン『響宴』
古代ギリシャの宴会に出てみようシリーズ2。愛(エロース)についての熱い語りに耳を傾ける。
西原理恵子、吾妻ひでお『実録!あるこーる白書』
元アルコール依存症の吾妻ひでおと、依存症の夫に悩まされた西原理恵子。二人の漫画家が自身の経験を語る本。アルコール依存症の実録であるのみならず、表現者の生き様の実録になっている点が素晴らしい。
内澤旬子『世界屠畜紀行』
「動物が肉になるまでの過程が知りたい」、そして「食肉や皮革にかかわる仕事をする人に対して、どうして日本では差別があるんだろう?」という問いから出発して、世界各地の屠畜の実情をルポした著作。世界は広い、文化も多様だって思える一冊。
世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)
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内澤 旬子
角川書店(角川グループパブリッシング)
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内澤旬子『飼い喰い:三匹の豚とわたし』
「自分で豚を飼って、つぶして、食べてみたい」という欲望を実現する過程をつぶさに描いた、著者自身の体験ルポ。「夢も秀も伸も [豚の名前] 、殺して肉にして、それでこの世からいなくなったのではない。私のところに戻って来てくれた。今、三頭は私の中にちゃんといる。これからもずっと一緒だ。たとえ肉が消化されて排便しようが、私が死ぬまで私の中にずっと一緒にいてくれる。」(本書277頁)
ハロルド・ハーツォグ著;山形浩生他訳『ぼくらはそれでも肉を食う:人と動物の奇妙な関係』
人は動物をペットとして愛玩の対象にする一方で、その肉を食ったりもする。この「人と動物の奇妙な関係」を考察した本。ペットの問題に興味のある人、食肉の話に興味のある人、どちらにもおすすめ。
ぼくらはそれでも肉を食う―人と動物の奇妙な関係
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ハロルド ハーツォグ
柏書房
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ピーター・シンガー『動物の解放』
動物解放論の古典。理論的に考えたい人はこちらをどうぞ。
伊勢田哲治『動物からの倫理学入門』
動物とのつきあい方を倫理学的に考えてみる本。
本橋成一『うちは精肉店』
牛がお肉になる様子を記録した写真絵本。ベルトコンベアの作業ではなく、人間の手作業で動物が肉になる。生きてた牛がお肉になるってこうなんだ。文字で知るのとは違った気持ちになる。
武田尚子『チョコレートの世界史:近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』
チョコレート好きは必読?ヨーロッパでチョコレートがどのように受容され、今のように普及していったのか、その歴史を辿った本。宗教、医学、産業労働と様々な切り口からチョコレートと人々の生活が切り取られる。視野が広がる一冊。
チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)
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武田 尚子
中央公論新社
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藤原辰史『ナチスのキッチン:「食べること」の環境史』
1900年代初頭から戦後まで、ドイツの食と食空間の変遷を辿った歴史書。「食べる」という人間の必然の営みが、どれほど環境の影響を受けうるか、そしてその環境はどれほど操作されうるかを示している。「食べる」ことと「思想」、そして「政治」は結びついていることが実感できる一冊。
黒岩比佐子『歴史のかげにグルメあり』
西洋と出会った近代日本人の、食をめぐるエピソード集。取り上げられるのは、明治天皇、伊藤博文、西園寺公望など蒼々たるメンツ、そして東京経済大学の前身大蔵商学校創立者大倉喜八郎。彼がどう描かれているかは読んでみてください。
中西準子『食のリスク学:氾濫する「安全・安心」をよみとく視点』
安全な食べものってなんだ? それを判断するためには、(めんどくさいけど!?) 知識を得る努力をしなければならないってこと。
食のリスク学―氾濫する「安全・安心」をよみとく視点
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中西 準子
日本評論社
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松永和紀『メディア・バイアス:あやしい健康情報とニセ科学』
賢く食べるために、メディアとのつきあい方も学んでおこう。
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
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松永 和紀
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